コンテンツ系技術屋はどこに行く?

先月また異動になり、前職時代とほぼ同じ業務内容=コンテンツの社内開発に。
この事務所で、ActionScriptを書く仕事をやることになるとはね。
プロデューサー集団であるべき出版社でそんな業務は成り立たない、転職しない限りもうムリだと思ってたから。


何度も書いてる通りだが、おいらはある解に対して最善の方法を探していくような業務、時間をかけただけ成果物が出せる業務に断然やりがいを感じるんですよ。
マーケティングや営業のように、仮説から結果(利益)を導き出す仕事はすこぶる苦手。だからそれを評価軸にされることはとても苦痛。
しかも、仮説をたてるのも売るのも作るのも全部やりなさい、なんてことを求められると頭がフリーズしてしまう。
少しは変わらなきゃと思ってこの2年間いろいろあがいてみたけど、やっぱり気持ちがついていきませんでした、ごめんなさい、みたいな感じだったから。


なので、おいらとしては、今回の異動はすごくありがたかったのですよ。
まぁ、この事務所では今の働き方は評価されないと思うし(だから、これまでかろうじて飲み代程度もらえてたボーナスは諦めます>笑)、いつまでこんなこと続けさせてくれるのかはわからないが、とにかく今は仕事に対して良いモチベーションを保てている。
こんなすがすがしい気持ちで働いてるなんて、ここでは初めてかもしれない。


一方、事務所での仕事に対する疑問というか、このままでいいのかなぁというか、コンテンツ屋の限界を感じることもいろいろあって。


渋谷の有名な(笑)某社長が、こんなことを言っている。一部引用。

単純にビジネスモデルだけでメディアビジネスを紐解いたとすると、
1.視聴率や読者数(見ている人)を増やし、
2.そこに広告や課金、物販などを絡めて稼ぐ
というものです。


(中略)


ネットの場合は、1の視聴率(PV)を伸ばすのは技術力です。
5年前に放送と通信の融合が盛り上がった時にもブログに書きましたが、コンテンツによるものが3割だとすると、残りの7割以上は機能や仕組みやサーバーレスポンスによるものだと思います。


例を上げると、素晴らしい動画番組を1回流すよりも、youtubeのような仕組みを作ってしまたほうがPVは継続的に伸びます。


スクープといえるような記事を1回づつ書くよりも、継続的なブログやSNSのような仕組み、またはtwitterなどとの外部連携で半自動的に広がっていくような機能を作らなければ、逆にキラーコンテンツでサービスを永久的に続けていくことはネットでは困難です。


この社長の会社自体が成功してるかどうかはさておき(爆)


出版はご存知の通り斜陽業界で、新しい波=電子出版の動きとどうつきあっていくのかが問われている。
でもね、印刷業界が電子出版のインフラやりますよってあれこれ動いてるけど、そもそも出版社にはインフラにお金を使うって概念がない…って、これは暴言かな?
でも、新しくコンテンツを作る/既存のコンテンツを再利用するコストにプラスして、いわゆる印刷流通とネット流通、2つのインフラを抱える体力は、正直今の出版業界にはないですわ。とくに零細企業の場合。
そのくせ、標準化するしないであーだこーだ文句を言ってるだけなので、どんどんチャレンジから遠ざかっていく。目先の利益を追いかけることで精一杯だもの。


といったことを考えたときに、出版社にいるコンテンツ系技術屋って、すごく中途半端な立ち位置だと思う。
エンジニアとタッグを組めない以上は、どうにもならないということを痛感しているから。
「コンテンツとシステムは分けるべき」って発想はわからんでもないが、乗せてもらうシステムに文句言えない立場って、正直しんどいっす。


ああ、どうせ作るんなら、一致団結して新しい仕組み作っていくワクワク感を味わいたいよなぁ。
ほら、システムのことも少しわかってるコンテンツ屋って、重宝すると思うんだけど(笑)