<弁天百暇堂>vol.5終了


いつもは「室内楽は、聴き手と同じ目線&息遣いのわかる場所で演奏したい」という首謀者のワガママにより、こじんまりとした&フラットスペースな会場をセレクトしている<弁天>。
だが、史上最大規模編成のアンサンブルにチャレンジするために、今回は禁を破り(?)、「舞台のある」ホールで開催した次第。


…って、実はこの九重奏版(注:本番は10人で演奏しました)、5年前に<弁天>でやろうと準備してたんだよね。
ただ、当時の自分をとりまく環境が(主に仕事面で)どうにもならなくなり、泣く泣く演奏会ごと潰したという。<弁天>空白の4年半ってのは、この挫折が大きな理由になってたんだな。


だから「同じことを繰り返すわけにはいかない!」というのはずっと頭の片隅にはあった。
なのに、今回も、仕事が忙しくなったり、楽器を弾くこと自体のモチベーションが下がってしまったりで、ウダウダしているうちに「やばい、本番まであと2ヶ月ぢゃん!」みたいな。
首謀者としてホントはもう1曲エントリーしようかななんて考えたのだけど、そんな余裕もなかったなぁ。


そんなわけで、個人的には、とにかく練習不足のひとことに尽きる。
でもって、その練習不足が露呈するシーンってのは、だいたい決まってるという。
こういうあたりを丁寧にさらうべきだったのに、やっぱり放ったらかしにしちゃうのって、いかにもびよら弾きだねー、みたいな。


人数が多いということもあり、全員揃って練習できたことは一度もなかった。まぁ、これも自慢できることじゃないよね。
ただ、毎回どこかが歯抜けでやってたもので、逆に各パートの役割とか、自分はどのパートに頼ってるのか寄り添ってるのかとか、そんなあたりが明確になった…というのは、たぶん他のメンバーも共有してたことじゃないかなと思う。


自分の反省は多々あれど、練習も本番も、とにかく今回はすべてが楽しかった。自分が演奏しているときも、他の曲を聴いているときも。
若いころはある種の悲壮感をもって室内楽に取り組んでいたけど、このごろは比較的自然体で室内楽を楽しんでいるような気がしている。それは音楽仲間によるところが大きいなぁ、と思うわけで、そこは本当に感謝しています。