大阪国際室内楽コンクール本選@いずみホール

19〜20日の2日間、友人と、大阪国際室内楽コンクール&フェスタの本選現地鑑賞へ。
ハイレベルなプロのコンクール本選を生で聴ける、得難い体験。


旅費をケチったため(往復+ホテルだと、新幹線より飛行機のほうが安いんだよー)、4時半起き(たぶん今年いちばんの早起き)・7時羽田発の便で大阪入り。
大阪初日はコンクール、第一部門=弦楽四重奏と第二部門=ピアノ三重奏orピアノ四重奏の本選。
全部ではなかったけど、二次予選までは自宅でストリーミングチェックしていたので、ああこれが本命だろうな、とか、でもおいらはこの団体好きだなぁとか、そういうことも思いながら、11時から21時過ぎまで(お尻が痛くなったぜ…)ガチ鑑賞。


第二部門に関しては、優勝のトリオ・ラファールよりも、3位のトリオ・アタナソフのほうが印象的。
ラファールは横綱相撲だったと思うけど、シューベルトは正直シューベルトっぽくないというか、力で押し切った感があって個人的には納得いかず。とはいえ、二次予選のラヴェルはホントすごかったんだよねぇ。ラヴェルのフィナーレ冒頭で聴かせてくれたあの響きを、本選でも聴きたかった。
アタナソフは、「武満がこんなにロマンティックになるのか!」っていう驚きと、シューベルトで唯一寝落ちせずに聴かせてくれた(笑)のがね。キャラクターも含めて好きです、このトリオ。ああ、なんかのタイミングで来日してくれないかな。
唯一四重奏で生き残っていたノトス・クァルテットは2位。本選のブラームスは力んでたような気がしたんだが(まぁそういう曲ではあるけど)、予選での活き活きとした&楽しそうな演奏ぶりは印象的だった。
選外になってしまったトリオ・アドルノ。悪くはなかったと思うんだけどね。実は大阪駅に戻る電車が同じだったんだが、落胆ぶりがこっちにも伝わってきて…


第一部門は、まぁ順当な結果かなと。
優勝のアルカディアQ、とにかく音色に統一感があって美しい。バリバリ弾くタイプじゃないし、あまりに流れが自然すぎるから(むやみやたらと抑揚をつけないし)、日本じゃあまり流行らないかもしれないけど…今後どう化けていくのだろう。バルトークモーツァルト初期あたりを聴いてみたいっす。
2位のカヴァレリQは、1stヴァイオリンが交代してから1年経っていないそうだが、なんていうか、もうフツーにプロだよね。コンクール云々関係ない「死と乙女」。
3位のヴァスムートQ。本選ではチューニングが狂ってしまったり、いろいろ綻んでしまったのが残念。でも結成1年、キャリアはまだ始まったばかり。今後もがんばってもらいたい。


課題曲だった西村朗「光の波」&武満徹「ビトウィーン・タイズ」各三連発はおもしろかった。現代曲をいろんな解釈で一度に聴き比べられる贅沢。
当日客席にいた西村氏が興味深いことをインタビューで述べていて、おいらも共感したので、リンクを貼り付けておく。

Webアッコルド|大阪初夏の陣〈10〉フェスタ結果&西村朗インタビュー
http://www.a-cordes.com/#!20140522oosakashokanojin10/c43a