何が違うんだろう?

結局、某オークションで完売チケットを強引に入手してしまった。事務所からホールまでは徒歩10分。行くしかない。
厚木詣でも考えたが、あのインティメートな空間で聴く幸せには変えられない。
正直に白状すると、HMFから出ていたCDはおいらにはぬるく感じて、正直あまり好きじゃなかった。とはいえ10年以上も前の録音だし、今とはメンバーもかなり入れ替わってるだろうから、印象も違うだろうと。


コンサートマスター(?)は入れ替わりで、1・2番は見た目ちょっと神経質なオジサン、3〜5番は日系女性ヴァイオリニスト。5番の通奏低音ファゴットを加えた演奏は初耳。チェロ・ガンバ・チェンバロ以外は全曲全員立奏。


全体的には、自由で前向きな演奏だ、と思った。


細かいアラが多々あったことは否定ない。2番のトランペットはかなりごまかしてたし(笑)、3番では明らかに音が出ていない奏者を、残念ながら弦楽器に見つけてしまった。ただ、それがほとんど気にならなかった。
前から2列目という至近距離で接したというのもあるだろうけど、とにかくあの底抜けの笑顔、あのパフォーマンスにやられたという感じ。とくに6番でヴィオラを弾いた2人、「もう楽しくってしかたない!」というのが全身から感じられる演奏ぶりで。
要するに、「アカデミー」という名前から想像されるいかめしさからは無縁の、ドイツの地方都市で気心知れたおっさん&おばさん(失礼きわまりない例えですんません)が楽しくやってる団体なのだ。
そして、なんといっても「流れ」の心地良さ。これが、松本の演奏会との大きな違いだったのかもしれない。


#個人的に、元ムジカ・アンティクヮ・ケルンのリンデンおじさん@チェロを生で拝めたのがうれしかった。あの余裕を感じるたたずまい! おいらにそれが身につく日は来るんだろうか・・・。

ベルリン古楽アカデミー
J.S.バッハ ブランデンブルク協奏曲全曲演奏会

at トッパンホール