幻想1曲プロ

この日はセミナー参加→直帰ということがわかってたので、夜は何のコンサートに行こうかあれこれ考えていた。
コルンゴルトのクァルテット(!)というのにもかなり惹かれたのだが、最終的に選んだのはこちら。


田中千香士の名前は知ってたし、昨年亡くなったことも記憶に新しいが、彼の演奏に接する機会はなかった。
でもって、彼を慕うメンバーによるオケがあることもなんとなく知っていたが、こんな蒼々たるプロの集まりだなんて思ってなかった。
だって1曲プロとはいえ、チケット2,000円なんてアマオケ価格ぢゃん。つまり、みんなノーギャラってことらしい。


プログラムには「プロの技量をもったアマオケ」と記されてた。その表現は正直どうなのと思うが、ともかくその趣旨に賛同した音楽家が81人も集まったっていうのは、やっぱりすごいよな。
最後に出演者が握手をしあう姿なんて、フツーのプロオケ定期じゃまずお目にかかれないし(笑)


演奏は純粋に楽しんだ。アンサンブルのほころびは時々あったけど、とにかく楽しんでる、という表現がピッタリくる演奏。
しかもみんな腕っこきなので、普段は埋もれがちな音もしっかり客席まで届く。だから「ああ、こんな曲だったんだ!」という発見も多かった。
(そういえば、オブリガートコルネット版を聴いたのはこれが初めてだ)


しかし・・・この企画に対しては何の感傷的な感情ももちあわせてないはずなのに。
4楽章の中盤から終盤にさしかかったところで、不覚にも涙。
しまった、おいら、この曲には切ない記憶が含有されてることを忘れていたよ!
あ、記憶の詳細は聞かないでいただきたく(苦笑)

田中千香士記念コンサート
ちかしオーケストラ・FINAL
指揮 広上淳一

at 東京芸術劇場