冷たい雨の夜に

本当はAプロ=5日の川崎公演を聴きたかったのだよ。
だけど・・・(以下、涙ながらに略)
でもスルーするのも悔しかったので、しれっと事務所を抜け出した。
このごろ東京文化ばっかり行ってるな、頻度高し。


ただ、おいらも直前まで鵜呑みにしてたんだが、「フォーレ」の冠にだまされちゃいけない。彼らはドイツ出身の音楽家なんである。
だから、彼らから繰り出される音は、基本的にはドイツっぽい、と我々がイメージしている響きがする。ピアノの音色の選択といい(先日聴いた平尾女史と比べると一目、いや一聴瞭然だ)、弦の重心の位置どりといい。もっとふくよかであってもいいと思うが、まぁいいだろう。


演奏自体はたいへん楽しめたのだが、薀蓄はひとつだけ。
マーラーの四重奏断章は何度か日本人演奏家で聴いたことがあるが、彼らの演奏とは決定的に何かが違うんだよなー。それは何が原因なのだろうと考えたのだが、フレーズ感なんだろうな、きっと。
そのフレーズのゴール地点はどこにあるのか、ベクトルの方向はどうか、テンションはどうか・・・これはどのオケに行っても指揮者に指摘されることなんだが、この捉え方が決定的に違うんじゃないか。第一線で活躍するプロでさえそうなんだから、我らペーペーなんて推して察すべし、だ。



ああ、でも、やっぱり、フォーレを聴きたかった。冷たい雨だったし、なんとなくそんな気分だったから。

フォーレ四重奏団(プログラムB)
マーラー:ピアノ四重奏曲断章 イ短調
メンデルスゾーン:ピアノ四重奏曲第2番 ヘ短調 op.2
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25
at 東京文化会館小ホール