春は来たか

いやぁ、今日は暖かいというか、暑いというか。一気に春が来たみたいな。


例によって、事務所の先輩からご紹介いただき、行ってきたよ明日館。
いつ来ても、ここはいい空間だなーと思う。こんな場所で演奏するって本当に贅沢だよな。
もうちょっと客入りがよければ・・・と思うが、顔見知り(?)な仲間で空間を独り占めするのも、贅沢のひとつ。


オール・バッハ・プログラムで、オリジナル編成での演奏が3曲、その他にトランスクリプションが2曲。


「ジルバーマン・ピアノ」っていうのは、その名の通りジルバーマンというオルガン製作者が作った初期のフォルテピアノ。バッハの晩年に完成し、評価もしてもらってたとかなんとか。
現存してるものはほとんどなく、演奏者自らコピーを作ってもらったらしい。
チェンバロと違って強弱が出せるし、チェンバロのように音色も変えられる。それを活かして、堅牢な構造が見えるような演奏。でもガチガチじゃなくて、躍動感がある。「弾くたびに違う楽器みたいだから・・・」とかボヤいてたけど、そのこと自体を楽しんでいる様子。
源造さんの演奏は毎回気づきがあって楽しい。


一方のヴァイオリンは、ソナタバロック、ファンタジーはモダンに持ち替えての演奏。
先日拝見したときに比べて自由さと熱さが伝わってきて、今日の演奏は素直に楽しんだ。
予定調和とか誰かを引き立てることも大事だけど、その瞬間での交歓というか交感というか、対等に語り合うとか、そういうことがあるほうが断然楽しい。
という意味では、このコンビで、ルクレールコレルリのヴァイオリンソナタとか聴いてみたいなぁ、とか。ドイツもの以外はあまりやらないのかもしれないが。


ただ、この日の桐山さんは、バロックのほうがより生き生きしていたというか、モダンのほうは「あれ? 弾き慣れてないのかな?」という印象を受けた。
その場では「新曲だし、重音の嵐だし、大変だったのかなー」と勝手に解釈してたんだが、翌朝関係者のブログを読んで、そのワケを知ることになる。そうだったのか・・・
(記事を引用することは、野暮だと思うからやらないけど)

CD「バッハ meets ジルバーマン・ピアノ」リリース記念 PLAY BACH
武久源造、桐山建志

at 自由学園明日館講堂