大阪国際室内楽フェスタ本選@いずみホール

今回の訪阪、最大の目的は、このフェスタの審査をすること。
編成も演奏曲も自由なこの部門のおもしろいところは、一般人を審査員として公募していて、当選すると*1自分の一票が結果に反映されちゃうこと。
ビックリなことに、審査員応募用紙には音楽愛好歴とか書く欄がまったくないんですよ。住所氏名年齢だけ。
じゃあ自分でもできるかなということでw、友人を巻き込み乗り込んだ次第。


全体の結果は、個人的には少々違和感を覚えるものだった。
おいらは、もう一度聴いてみたいと思える、新鮮な発見のあった2団体と、個人的に応援していた(もちろん本番の演奏も良かった)1団体に投票したのだが、入賞したのはそのなかの1団体のみ。
今だからぶっちゃけちゃうけど、たとえば、イグデスマン&ジョーばりのパフォーマンスで優勝をかっさらった団体。アピール度は満点だったけど、パフォーマンス自体は先達以上の新しさがあるわけではないし*2、演奏の質としてどうだったかというと、ちょっと…
土日の予選とは層が若干違うかもしれないが、平日開催ということもあって、本選の審査員は年配の方やオバチャンが大半。うーむ、大阪のオバチャンたちにウケるのはやっぱりイロモノなのかなぁ。


審査の基準は各自の「感性」に委ねられていたのだが、演奏する側に何を求めるか、主催者としてもうちょっと観点絞ればいいのに。じゃないと、音楽自体が置いてけぼりになりそうな…というのが正直な感想。
ただ、審査員の参加条件を上げたり、審査員の属性からマーケティングするのは、フェスタの趣旨としてナンセンスなのも理解できる。メニューイン卿の大ボラ(?)をオモシロマジメに形にすることは大阪らしさでもあると思うので、うまいところに落としどころが見つかるといいのだけど。
現実的な案として、事前審査の段階で本選演奏曲の録画審査を入れておくなりして、主催者としての審美眼を示すことも必要かなと。
真摯な音楽ファンも多く参加していることはわかったので、次回の策に期待。


…とまぁいろいろ思うところはあるが、どうせ聴くんだったら、審査員体験したほうが絶対に楽しい。
だって、フツーに聴いたって「あのユニットよかったね」「いや、自分は〜」とかっていうのがあるわけだし。
3年後はみなさんもぜひ!

*1:とはいえ、定員100名といいつつ、本選当日の審査員は252名とのアナウンス。実際には、応募すればほぼ全員OKだったのでは。

*2:でも、審査員の大半は本家をご存知なかっただろうね。

大阪国際室内楽コンクール本選@いずみホール

19〜20日の2日間、友人と、大阪国際室内楽コンクール&フェスタの本選現地鑑賞へ。
ハイレベルなプロのコンクール本選を生で聴ける、得難い体験。


旅費をケチったため(往復+ホテルだと、新幹線より飛行機のほうが安いんだよー)、4時半起き(たぶん今年いちばんの早起き)・7時羽田発の便で大阪入り。
大阪初日はコンクール、第一部門=弦楽四重奏と第二部門=ピアノ三重奏orピアノ四重奏の本選。
全部ではなかったけど、二次予選までは自宅でストリーミングチェックしていたので、ああこれが本命だろうな、とか、でもおいらはこの団体好きだなぁとか、そういうことも思いながら、11時から21時過ぎまで(お尻が痛くなったぜ…)ガチ鑑賞。


第二部門に関しては、優勝のトリオ・ラファールよりも、3位のトリオ・アタナソフのほうが印象的。
ラファールは横綱相撲だったと思うけど、シューベルトは正直シューベルトっぽくないというか、力で押し切った感があって個人的には納得いかず。とはいえ、二次予選のラヴェルはホントすごかったんだよねぇ。ラヴェルのフィナーレ冒頭で聴かせてくれたあの響きを、本選でも聴きたかった。
アタナソフは、「武満がこんなにロマンティックになるのか!」っていう驚きと、シューベルトで唯一寝落ちせずに聴かせてくれた(笑)のがね。キャラクターも含めて好きです、このトリオ。ああ、なんかのタイミングで来日してくれないかな。
唯一四重奏で生き残っていたノトス・クァルテットは2位。本選のブラームスは力んでたような気がしたんだが(まぁそういう曲ではあるけど)、予選での活き活きとした&楽しそうな演奏ぶりは印象的だった。
選外になってしまったトリオ・アドルノ。悪くはなかったと思うんだけどね。実は大阪駅に戻る電車が同じだったんだが、落胆ぶりがこっちにも伝わってきて…


第一部門は、まぁ順当な結果かなと。
優勝のアルカディアQ、とにかく音色に統一感があって美しい。バリバリ弾くタイプじゃないし、あまりに流れが自然すぎるから(むやみやたらと抑揚をつけないし)、日本じゃあまり流行らないかもしれないけど…今後どう化けていくのだろう。バルトークモーツァルト初期あたりを聴いてみたいっす。
2位のカヴァレリQは、1stヴァイオリンが交代してから1年経っていないそうだが、なんていうか、もうフツーにプロだよね。コンクール云々関係ない「死と乙女」。
3位のヴァスムートQ。本選ではチューニングが狂ってしまったり、いろいろ綻んでしまったのが残念。でも結成1年、キャリアはまだ始まったばかり。今後もがんばってもらいたい。


課題曲だった西村朗「光の波」&武満徹「ビトウィーン・タイズ」各三連発はおもしろかった。現代曲をいろんな解釈で一度に聴き比べられる贅沢。
当日客席にいた西村氏が興味深いことをインタビューで述べていて、おいらも共感したので、リンクを貼り付けておく。

Webアッコルド|大阪初夏の陣〈10〉フェスタ結果&西村朗インタビュー
http://www.a-cordes.com/#!20140522oosakashokanojin10/c43a

エステ管5th終了


今回から、Gオケ以外の所属団体も、反省文(?)はちゃんと単独項にしようかと。


昨シーズンあたりから、ホントに古典が好きな方が年齢層問わず(現役学生からベテランまで)参画。
某大学のOBオケというイメージ(まぁ、今でもメンバーの半数はそうなんだが)から、ようやく抜け出せたかな。とくに弦の音がすごくピュアになったと思う。
びよらパートの面々も、ようやくこのスタイルに慣れてくれたのかな。


とくに毎回取り組んでるハイドンは、とにかく楽しくてしかたなかった。
みんな、終わる終わる詐欺に3度も引っかかってくれてありがとう!(笑)
ああ、もう一度熊ダンスのドローンを弾きたいなぁ…


一方、このオケとしては初めてのベートーヴェン
1番は個人的に3度目、トップも2度目。
だが、何度やっても難しい、というか怖いものだね。手応えもあった一方、来年に向けての課題も見つかったというか。


風邪をひいてしまい、当日は万全でなかったのが悔やまれるけど、どこか多少抜けがあるのがおいららしいということで。

Gオケ96th終了


最近は有名大曲路線なのかと思ってたら、こんな素っ頓狂なプログラムw
(某団員による長年のロビー活動の成果だっけ? たいへんおめでとうございました)
でも、楽しかったな。パーカッション15名とか(マヤ族の夜)なかなかやる機会ないし。エスタンシアに至っては、もう一度やりたい中毒発症中。


個人的には、トップを降りてからの3シーズンあまり良いパフォーマンスができていなかったので、それはなんとかせにゃと。
と言いつつ終盤は欠席や遅刻が多くてご迷惑かけましたが、景気付け担当の使命はなんとか果たせた…と思いたい。


リハではマエストロに「ダサい」って怒られちゃいましたがw、やったもの勝ちということで。
ただ、(特に弦の)みんなには、もっと表現することに貪欲になってほしいな、とも思った。
おいら自身が十全にできてるとはとても言えないが、自分が持てるあらゆる要素を使って何か伝えようという気持ちと、手段の模索は必要じゃないかと。おいらが「ビジュアル担当」ってうそぶいてるのは、そういうことなんだがなぁ。

2014年・室内楽冬の陣を振り返る

クァルテット、管&ピアノも含めた室内楽(=<弁天>)、大きめの弦楽アンサンブル(=ゆかいな仲間たち)と、自分がやりたいものが全部レギュラー化かなったところで迎えた今シーズン。<弁天>は12月だったが、残りは2週連続での本番となった。


いずれも違う曲・違う編成、しかも娘と爺を使い分けて…というのは、我ながら無茶なチャレンジだったな。
加えて、年明けから左手フォームの改造中。まだ固まってないというか、左手に気をとられるぶん今度は右手が…みたいな部分もある状態での本番。これをみんなの中に埋もれられるオケシーズンではなく、室内楽シーズンでやろうとするあたりが自分らしいというか何と言うか。


しんどかったけど、両方無事に終わってホッとした、というのが正直な気持ち。
ただ…こんなことを言っていいのかわからないが、娘を室内楽で使うのはやっぱり辛い、ということもはっきり悟ったシーズンでもあった。楽器そのものの問題(「鳴るまで5年」という楽器屋さんの言葉は重い)と、自分の弾き方の問題(最良の音を引き出せない)と、両方あるんだろうけど。娘はしばらくオケ&内輪企画でのみ使うかなぁ。


あと、今後は冬開催特有のリスクも含めてスケジュールを考えないといけないね。

ゆかいな仲間たち vol.2(2/1)


ここでのおいらは(なぜだか言いだしっぺということになっているので)事務局&コンセプトプロデュース?に徹しているが、肝心の演奏面では凹みポイント多々で申し訳なく。
とくに、オープニングのびよら漫才デュオは緊張しまくりで、狙ったことの半分もできなかった。ああ、あんなに練習したのに…orz
後半のオクテットはまずまず、でももっとうまく立ち回れたよなぁと思う箇所があれこれと。
そして聴きに来た某氏からは「メロディ弾いてるときより、裏にまわったときのほうが楽しそう」ってはっきり指摘を受けたというwww
…ところで、この日は1人が高熱&その後メンバー数人が風邪やインフルエンザでダウン、つまり風邪菌が充満してたってことなんだが、ご来場のみなさまは大丈夫だったのだろうか。

クァルテット vol.2(2/8)

当日が大雪なんて人生初、前日晩まで開催の有無も含めていろんな葛藤が。とくに身重だったメンバーには無理を強いてしまった面も…でも、やれてよかったよね?
少しでも早く帰れたほうがよいだろうということで、休憩カット&アンコールなし、1時間強で終演とした。帰宅難民覚悟でご来場いただいた方(「自分の練習がなくなったので行きます」って人も)やスタッフ各位には心より感謝。
4人でのメンデルスゾーンは、結成1年半の蓄積が出せたかな。冒頭弾きながら、なんかすごくホッとした気分になったのは自分だけだろうか。
トリオはやっぱり難しいのと慣れてないのとで、とくに前半は緊張感が支配してしまった。しばらくは3人+ゲストでの活動となるので、トリオになったときの精度&「幕開け」の入り方は、今度の課題。

箱根逃亡

大雪本番の翌日から、1泊2日で箱根逃亡。
子どもの頃から何度も訪れているが、電車(ロマンスカー)利用はこれが初めて。




初日は湯本から先の交通機関が全滅(といっても宿は湯本だったので問題なし)。翌日も大平山から上は雪が降り続いていたので、大涌谷行きは諦め、強羅散策。
でも、雪の箱根というのもいいものですな。
おいしいものを食べ、温泉もたくさん入って、雪の公園を散策して、リフレッシュ完了。



そういえば、函嶺洞門ってもう通れなくなったんですね…

最近の徒然

まとまらないので、覚書みたいな感じで。


オソロシイことに、演奏活動というのは連帯責任だ。
どこが着地点なのかはオケorアンサンブルそれぞれだけど、足を引っ張る人がいたとしても、その人だけのせいにすることはできない。
だから共演者って大事。


公開演奏会という形をとる以上、できる限りの準備をして臨みたい。
もちろん当日の演奏がうまくいくのが理想だが、おいらはアマチュアなので、やっぱり過程が大事。
(お客様には過程そのものを伝える必要はないけれど)
あとは当事者意識っていうのかな。
道行く人に宣伝できないような演奏会なんてやらないほうがマシだと思ってるが、じゃあどうして宣伝したくなくなるのかっていうと、結局は準備ができてるかどうかって話じゃないかと。
本番がうまくいって良かった、だけじゃダメなのさ。本番の何十倍何百倍、準備に時間かけてるんだから。


所属団体をやめるということは、その団の演奏&運営に関する連帯責任を負うに値しないと判断したってことだ。
誤解しないでほしいけど、それはレベル・難易度だけの話ではない。公私いろんな優先順位があるなかで、取捨選択しなければならないこともある。
今おいらは、自分の音楽活動について、明確な目標と優先順位付けをしてる。
いちばんやりたいのは室内楽。だから首謀者として企画するし、お誘いにはできるだけ乗る。
一方、これ以上オケには入らない。よほどでない限り、新規団体への賛助出演オファーは受けない。
…それでも人間できていないもので、他団体のことをうらやましいと思ったり、ぶっちゃけ嫉妬することもある。
でも、結局は、自分の信じる道を進むしかないのだよね。